こんにちわ!ハイリー(@yoshinagan77)です。
今回はいつも本でお世話になっている「浜松医科大学名誉教授 高田明和先生」の新刊を読んだのでご紹介します。
先生ご自身も「HSP」「発達障害」の傾向があり、「うつ」にもなられているのでご自身の経験による知見もかなり参考になるので、私は新刊を見かける度に読んでます。

今回は「空気を読みすぎるHSP」と「空気が読めない発達障害」をテーマに書かれてます。
これは長年ご自身も苦しまれたことのようでご自身の事例も出てきます。
【読了】HSPと発達障害
第1章 HSPと発達障害は似ている!?
第2章 あなたはHSP? 発達障害?
第3章 HSPと発達障害・グレーゾーン
第4章 「人と違っている」ことが素晴らしいのです
第5章 「今の私のままでうまく生きる」
第6章 「生きていくのが苦しい」からの脱出
第1章 HSPと発達障害は似ている!?
ご自身やいろいろな事例を織り交ぜてHSPと発達障害の類似点について書かれてます。
下記は著書より「HSP」と「発達障害」の違いを現した表です。
HSP | 発達障害 | |
---|---|---|
感覚過敏 | ある 音・色・匂いなど五感が敏感 | アスペルガー・ある |
対人関係 | 相手の気持ちを読みすぎて辛くなる。 相手の心まで読み取ることもある | アスペルガー・ある いわゆる「空気が読めない」 ADHD・あまり問題ない |
建前と本音 | 本音を読み取る | アスペルガー・ ADHD・ 言葉をそのまま受け取る |
こだわり | ある 頭から離れなくなることがある | アスペルガー・大いにある ADHD・ある(執着は少ない) |
不注意 | ほかのことに気を取られていると 不注意になることがある | アスペルガー・好きなものには細かい。 ADHD・ある |
多動 | ある 刺激が強すぎて落ち着かないことも | アスペルガー・あることも ADHD・ある。落ち着きがない |
衝動性 | ない 石橋を叩いて渡るタイプ | アスペルガー・あることも ADHD・ある |
ちなみに医師である高田先生でも「HSP」と「発達障害」の判断は非常に難しいといいます。
①HSPの概念が一般的にはまだ認知度が低く、医師のなかにも知らない人が多い。
②発達障害についても専門の医師はまだ少なく、正確な判断が難しい。
③HSPと発達障害には似た症状が多い。
例えば、落ち着きのなさからミスが多く、注意を受けて落ち込む場合も
「発達障害」は「脳の機能」が原因で「注意を受け」⇒「落ち込む」
「HSP」は「過剰な刺激」が原因で「情報過多」⇒「注意を受け」⇒「落ち込む」
とパターンが違うので非常に判断が難しいようです。
これは私もいろいろな本を読んでますが、かなり勉強になりました。
さすがにこれは精神科医やカウンセラーでも相当時間を掛けないとわからないことだと思います。
なので、私は精神科医でやたらと「薬物治療」する医師は信用できないと思っているのです。
第2章 あなたはHSP? 発達障害?
「HSP」は心理学用語で「発達障害」は医学用語
「発達障害」と認めらえると公的な支援を受けられるケースもあるそうです。
「発達障害」には判断基準である「DSM-5」というものがあり、それは「その症状で本人が困っていれば診断する」ということだといいます。
「発達障害」は医学用語な上、判断基準もあるということは非常に大きなことでいろんなブログでも書いてますが「HSP」は心理学用語なので精神科医の認知がまだ低く、「うつ」「発達障害」と混同されやすいということ。
なので、「HSP」を「うつ」や「発達障害」だと判断した医師が治療を施したところで症状は治まらないのです。
だって、「うつ」や「発達障害」という病気ではないのですから…
なので、ますは知ることから始めましょう!
さて、「HSP」と「発達障害」の共通項が結構あり、本当に専門家でも判断つかないようにも思います。
①光や音などの強い刺激に敏感に反応しやすい。
②特定の分野において優れた才能を発揮する。
③外部と自分との違いに悩み、苦しみを感じている。
④大勢での飲み会より少人数の集まりが好き。
⑤頭の中に次々といろんな考えが浮かぶ。
⑥心配事が浮かぶと、頭から離れなくなってしまう。
⑦想定外の出来事に弱く、パニックを起こしたことがある。
⑧ほかの人には見えないモノが見えることがある。
⑨睡眠障害がある。
⑩建前と本音の区別がつかない。
どうでしょうか?
「HSP」の我々が言われても正直、違いが分からないところが多いですよね?
でも、高田先生はいいます。
特に④、⑤、⑩は違いがあると!
「④大勢での飲み会より少人数の集まりが好き。」
「HSP」は大勢の人といると脳に刺激を受けすぎて疲れるが、「発達障害」は相手の気持ちが読み取れないため大勢の中にいても楽しくない。だから、大勢でいるのが苦手。
「⑤頭の中に次々といろんな考えが浮かぶ。」
「HSP」は五感の感度が敏感なため、脳が刺激を受けすぎるが、「発達障害」は外部からの刺激からではなく、脳が過剰興奮を受けやすい。
「⑩建前と本音の区別がつかない。」
「HSP」は人の言葉を素直に信じてしまう傾向がありますが、「発達障害」は言葉や表情の裏を読み取れないので、本音と建前の区別がつかない。
「HSP」の「過剰反応」はあくまで外部の刺激が原因であり、「困った症状」はその結果
「発達障害」は脳の機能そのものが原因
「結果という反応」は一緒でも「原因」が違うので違う対策が必要ですがそれが難しい。
ただ、決定的に違うところもあります。
①空気が読めない
「HSP」 空気を読みすぎて苦しい
「発達障害」 空気が読めない
②片づけができない
「HSP」 片付いていないと落ち着かない
「発達障害」 片付けや整理が苦手
純粋な「HSP」、「発達障害」はおらず、混在しているグレーゾーンの人が多いので考え込まず、「本人が困っていない」のであれば「個性」だとと考えることも必要です。
第3章 HSPと発達障害・グレーゾーン
この章では「HSP」「発達障害」の原因と対策について書かれています。
そもそも「HSP」「発達障害」の症状が似ているのは脳の同じ個所の問題で
「過剰反応」=「HSP]
「不全」=「発達障害」
というのです。
これもまた驚きですよね!?
この脳のそれぞれのトラブルは「脳内ホルモン」の分泌量の影響だといいます。
敏感さを感じたあとの脳内には脳のアドレナリンともいえる神経の昂りに関連している物質「ノルエピネフリン」が多く分泌されている。また、HSPは平常時でもストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が多いのが特徴。
脳内の報酬系ホルモン、つまり幸福を感じるためのホルモンであるドーパミンの分泌が少ない傾向があり、また、注意力や衝動性にかかわるノルアドレナリンも不足気味で、これにより、注意、持続力が低く、衝動性が高くなっている。
ちなみにホルモンの分泌量の影響なので女性の場合は「月経前」「妊娠中」「更年期」に変化が起こりやすいともいいます。
「発達障害」は脳のなかのある特定のホルモンの多寡が引き起こす症状
「HSP」は発達しすぎた脳の中のミラーニューロンが主な原因
だと考えて、性格が原因だと考えずに脳というシステムが引き起こす症状だと割り切りましょう!
そして、自分のトリセツをつくる。
自分の行動パターンのクセ、傾向を知っておくことが効果的です。
第4章 「人と違っている」ことが素晴らしいのです
この章では「HSP」や「発達障害」の有名人を挙げ、能力を活かすことを謳っています。
宇多田ヒカル、又吉直樹、村上春樹、カフカ
グレタ・トゥーンベリ、アルベルト・アインシュタイン、モーツァルト、ゴッホ、コナン・ドイル、茂木健一郎、市川拓司
宇多田ヒカルはHSPとはちょっと驚きましたけど、そうなんですね?
・繊細さ、敏感さで人に共感できる力
・人類が生き延びるために欠かせない気質
・他者を気にしない集中力
・物事へのディテールへのこだわり
第5章 「今の私のままでうまく生きる」
この章では自分のクセを知ってそれを活かすことの大切さについて書かれています。
私も自分のブログでは自分に言い聞かすように書いてますが、「自分を知ること」は非常に大切です。
自分の傾向やクセを知ること
「HSP」「発達障害」と人より優れた能力が兼ね備わっています。
ただ、困ったことや苦しいことにエネルギーを使ってしまうため、その才能に気づかないまま埋もれてしまうことがよくあります。
その才能に気づくためにも「自分の傾向やクセをよく知ること」
「自分の傾向やクセを知ること」ができれば、コントロールできますので、今まで困ったことや苦しいことに使っていたエネルギーをいい方向へ向けることが可能になります。
過去の自分を分析してみる
自分の適性を知らないままにやみくもに仕事に就いたり、会社に就職すると、後々嫌な思いをしたり、「こんなはずじゃなかった」と後悔することになります。
自分を知る上で「過去の自分」を分析することは未来へのリスクを大きく減らせると思います。
「仕事」「家庭」「やりがい」「人間関係」などなどいろいろと優先すべき項目はありますが、自分が何に重きをおいて生きていきたいと思うのかそれを知るだけでも十分だと思います。
- お金
- 地位
- 名誉
- やりがい
- 家族
- 趣味 などなど
欠点を直すより、長所を伸ばす
これはこないだ読んだ本「小心者のままでいい」にもありました。

やっぱり、自分の長所に合った仕事が一番いいですよね?
HSPの多くはアーティストの感性を持っている
と言われましても私は感受性は高くてもアーティスト要素全くないんですが…
高田先生が言われているのはこんな感じです。
- 芸術関係:俳優、声優、音楽家、画家、作家
- 研究職 :大学や独立法人などの自分のペースで仕事が進められる環境がベスト
- 占い師 :スピリチャルな特性を生かせて、自分のペースで仕事ができる
- 美容師 :手先が器用で細かい違いがわかる、相手の気持ちがわかる
- マッサージ関係:手先が器用で相手の気持ちがわかる
- 歯科技工士、歯科衛生士:手先が器用
- 翻訳者 :言葉使いの些細な違いがわかる
- 調理師 :繊細な味覚を生かす
以上が著書にあったHSPに合う職業です。
要するに「手先が器用」「自分のペースで仕事ができる」「感覚が敏感」という条件が当てはまればいいと思います。
大工、伝統工芸、加工職人、エンジニアなどなど対物の仕事も幅広くありますよね?
欠点は長所になる
・気が弱い、シャイ → 繊細
・人に振り回される → 人の気持ちがわかる。感受性が強い。
・人見知りがする → 用心深い
・多動性 → エネルギッシュ、好奇心が旺盛
・衝動性が強い → 反応が早い
・過集中 → 好きなこと、得意なことにはすごい集中力を発揮
・社会性の無視 → 新しいことを発見する才能がイノベーションを起こす可能性が高い
・人の言葉が耳に入らない → 自分独自の価値観を持っている。独創性がある
・気分変調が強い → 感受性が豊か
・空気が読めない → マイペースでことを進められる
・文字情報に弱い → 資格情報に強い
できれば避けたい仕事
発達障害の人が避けたほうが無難な職業の紹介もありました。
HSPにも当てはまると思います。
・人との交渉や対人関係が重要な仕事
営業職、接客業など
・時間の観念が重要な仕事
バス、鉄道などの交通関係、運輸関係、旅行会社など
・同時に複数のタスクを行う作業
調理師などの飲食関係、テレビ、新聞、出版などのマスコミ関係など
・突然の事態に対し、臨機応変な速攻処理を求められる仕事
マスコミ関係、警察関係、顧客窓口、救急関係など
結構、参考になると思います。
私は突然の事態に対する臨機応変な速攻処理はちょっと苦手です。
結論がでるまでにあれこれ考えて、時間が掛かってしまうからです。
そんなことないですか?
第6章 「生きていくのが苦しい」からの脱出
この章では対処方法について書かれています。
「苦しい」のサインに敏感
苦しいと感じた時には自分の身体に注意を払いましょう!!
世の中にはバランスの取れている人はほとんどいません。
頭脳明晰で、落ち着きがあり、何事にも前向き。人の気持ちを理解してくれて、嫌なこと率先してやってくれる。それでいて、身体の不調はなく、毎日元気にやるべきことをやる…
いませんよね?
多くの人は不調を伴いながら日々を過ごしているので自分の不調を感じた時は自分の身体に注意を払いましょう!
・ぼんやりする
「デフォルト・モード・ネットワーク」といって雲や樹木、水などをボーっと見ているだけで、リラックスできる。
・呼吸法
吐く息を長くして、合間に吸う感じで。
アンガーマネジメントでも深呼吸すると「怒り」が収まるというので、効果はあります。
著者は「読経」を勧めていますが、日常的には難しいので「深呼吸」でいいでしょう。
まとめ
私は「HSP」で「HSP」のことはよく調べていましたが、「発達障害」との類似性や似て非なるところが今回よくわかりました。
特に症状は同じようにみえても原因が「HSP」→「脳の過剰反応」、「発達障害」→「脳の機能不全」。
というのは判断に難しいと思います。
「HSP」と「うつ」でもそうです。
症状は一緒なのですが、原因が違う為に誤った診断を受ける場合があります。
やはり、医師任せではなく、自分でも調べて知ることをオススメします。
以上、ハイリーでした。
コメント